白老町萩野小学校の3年生17人が11日、町内のウヨロ川中流の河川敷で、アイヌ民族の伝統的な漁具でサケを捕る川漁について学び、先住民族のかつての営みに理解を深めた。
同校は「ふるさと学習」としてアイヌ文化を学ぶ授業を取り入れており、今年は7月に開業した民族共生象徴空間(ウポポイ)見学も行った。この日は、サケの遡上(そじょう)期に合わせて一般社団法人白老モシリが企画した「川のイオル(伝統的生活空間)」体験交流事業に参加し、伝統漁法や食文化を学んだ。
アイヌ民族は昔、川筋にコタン(村)をつくり、カムイチェプ(神の魚)と呼んだサケを重要な食料とした。食べ物としてだけでなく、皮を靴や衣服の素材にするなど、余すことなく利用した。明治以降の政策で自由な漁が禁止されたものの、今でもアイヌ民族の精神文化を支える存在となっている。
体験学習に参加した児童らは、そうしたアイヌ民族とサケの関係について学んだ後、「マレク」と呼ばれる道具を使って川辺のいけすに放たれたサケを捕獲。包丁で解体する作業にも挑んだ。また、川に仕掛ける筒状の漁具「ラウォマプ」(うけ)を見学し、丸木舟に乗ったり、触れたりしながらかつての川漁の光景を想像した。
サケを使った伝統食も試食。白老モシリのメンバーが調理したオハウ(サケの汁物)などを味わい、自然の恵みで命をつないだ先住民族の暮らしに思いをはせた。マレクで捕獲体験を楽しんだ星野暁さん(8)は「動きが速くて捕まえるのは難しかったけれど、アイヌ文化が学べて良かった」と話した。




















