白老町の2020年度上期(4~9月)の観光入り込み客数は100万2460人となり、前年同期比で2・4%伸びた。前年を上回ったのは2年連続。新型コロナウイルス感染拡大の影響で宿泊客数は落ち込んだが、7月のアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)開業効果で日帰り客が増え、入り込み客全体を押し上げた。
上期の宿泊客数は2万8661人で、前年同期比2万6804人減と半減した。一方、日帰り客数は97万3799人で、同5・4%アップの5万230人増となった。宿泊と日帰りを合わせた入り込みの全体数は、前年同期を2万3426人上回った。
宿泊客数の大幅な落ち込みは、新型コロナの影響が大きい。国内での2月以降の感染拡大や、国の緊急事態宣言に伴う外出自粛で旅行需要が大きく鈍り、町内の温泉ホテルなど宿泊業界も苦境に陥った。特に宿泊施設が多い虎杖浜温泉地区(竹浦・虎杖浜地区)の入り込み客数は、前年同期比で約3割減の40万1073人にとどまり、宿泊客数も半減した。
一方、町内全体の日帰り客の増加について町は、ウポポイをはじめ、4月開業の駅北観光商業ゾーン(ポロトミンタラ)・観光インフォメーションセンターのオープン効果が大きいとみる。ウポポイと同センターが立地する白老地区の入り込み客数は60万1387人となり、前年同期比で4割増を示した。
開業効果は、白老地区の飲食店・土産店にも波及。観光客の飲食需要の高まりなどで、来客数は全体で前年同期比約8割増の43万6147人となった。
外国人観光客の入り込みは4516人減の185人となり、前年同期の3・9%にとどまった。新型コロナ感染の世界的流行に伴う渡航規制などで極端にダウンした。
白老町の年間の観光入り込み客数に関しては、19年度に159万6871人を記録し、4年ぶりに前年度を上回った。ウポポイPRによる白老の知名度向上や、アイヌ文化への関心の高まりによる体験プログラム参加者の増加などが伸びにつながり、3年連続の前年割れに歯止めがかかった。今年度も上期は前年比増を示したが、このところ新型コロナ感染者が再び急増していることから、町は今後の情勢を注視している。

















