水道不要のトイレ開発 インドでの普及目指す 微生物の力で分解処理 会沢高圧コンクリート

水道不要のトイレ開発 インドでの普及目指す 微生物の力で分解処理 会沢高圧コンクリート
会沢高圧コンクリートが開発した自己完結型トイレ(同社提供)

 コンクリートメーカーの会沢高圧コンクリート(苫小牧市、会沢祥弘社長)は、水道が不要なトイレを開発した。微生物の働きで排せつ物を分解処理する仕組み。外壁の製作にロボットアーム式3Dプリンタを活用した独特な外観となっている。下水道インフラの整備が遅れているインドでの普及を目指し、NPO法人などと調整を進めている。

 同社によると、構想は3年ほど前に浮上。開発チームの男女6人が中心となり、SDGs(持続可能な開発目標)の一つである「安全な水とトイレを世界中に」の実践にチャレンジすることになった。昨年5月には、実際にインドを視察。現地では下水道インフラが都市部以外で発達しておらず、開発チームのメンバーらは野外排せつによる水質汚染が社会問題となっていることを改めて実感したという。

 議論の結果、問題解決にはオフグリット(自己完結型)トイレの普及が有効と判断。国内外の企業と協力し、円筒形の試作品(直径3・7メートル、高さ2・7メートル)を製作し、9月に深川工場で一般公開した。

 排せつ物を腸内細菌と自然界の微生物の働きで、水と二酸化炭素に分解できるという旭川の企業のおがくずを使用。空気中の湿気から水を生成する東京の企業の技術や、手洗い水替わりに水を効果的に噴霧する中国企業のノウハウも取り入れた。

 外壁は3Dプリンタを活用し、つぼみをイメージした凹凸を持つ曲線状のユニークな外観に仕上げた。

 インドでは、スマートフォンが普及していることから東京の企業と共同開発したスマホで鍵の開閉や利用状況が分かるシステムも導入。「次の人のためにトイレをきれいに使う習慣」も定着させたい考えだ。

 同社はインドでトイレの普及活動に取り組むNPO法人「スラブ・インターナショナル」と交流があり、ニューデリーの同法人敷地内にあるトイレ博物館に自己完結型トイレを寄贈する予定。同社の担当者は「現地の人にどんどん使ってもらい、必要に応じて改善していきたい」と話した。

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