社会福祉法人ホープ(白老町萩野)常務理事の佐藤春光さん(69)が、公益財団法人ヤマト福祉財団(東京都)の「第21回小倉昌男賞」を受賞した。就労支援事業を次々に創出し、障害者の仕事づくりを推し進めた活動が高く評価された。佐藤さんは「これからも仕事の幅を広げ、障害のある人たちの自立を支援していきたい」と言う。
宅配大手ヤマト運輸元会長の故小倉昌男氏が1993年に設立した同財団は毎年、障害者の雇用創出や拡大に積極的な福祉関係者へ同賞を贈っている。今年度は白老町の佐藤さんと、三重県伊賀市の社会福祉法人維雅幸育会の奥西利江統括管理者の2人を選んだ。
佐藤さんは、白老中教員として特別支援教育に携わっていた頃、保護者団体と共に障害児教育の改善に取り組み、町内の全小中学校に特別支援教室の開設を実現させた。学校卒業後の障害者の受け皿として97年に町内に授産施設を開設し、2005年には同町萩野に印刷作業や菓子作りなどを行う就労支援施設フロンティアを設立。54歳で教職を辞して障害者支援の道を突き進んだ。
以降、公共施設の売店や喫茶店、駅前レストランを次々に開設し、障害者の働く場を拡大。昨年は登別温泉街にハンバーガーショップ、今年は民族共生象徴空間(ウポポイ)に飲食店をオープンさせるなど、仕事の創出に積極的に取り組んでいる。障害者の収入を増やすため、アイヌ文様製品や菓子、健康茶などの商品開発にも力を入れ、「来年はキクイモの健康茶を売り出す予定」と言う。就労支援と生活介護、グループホームの事業を柱に、障害者が働きながら安心して地域で暮らせる環境づくりを推し進めている。
北海道手をつなぐ育成会(本部札幌市)の会長も務める佐藤さんは「受賞を励みに障害のある人の経済的自立と、職員の待遇改善に向けてさらにチャレンジしていきたい」と話し、来年春には登別市内に新しい生活介護施設もオープンさせるという。
表彰式は12月3日に東京都内で行われる。

















