灯油 安値続く 市民歓迎、業者は動向注視 コロナ禍で石油製品の需要減少

灯油 安値続く 市民歓迎、業者は動向注視 コロナ禍で石油製品の需要減少
苫小牧市内では前年同時期に比べると安い状態が続く灯油

 苫小牧市内では、需要期を迎えた灯油が安値で推移している。現在は前年の同時期よりも1リットル当たり15円安い78円で販売する業者が目立つ。新型コロナウイルスの影響で石油製品の需要全体が落ち込んでいることが背景にある。市民が「家計の負担軽減になる」などと歓迎する一方、業者は売り上げ減を心配しながら動向を注視する。

 石油製品の価格を調査している石油情報センター(東京)によると、24日時点の灯油の全国平均価格は1リットル当たり78・8円。18リットル(一般的なタンク1個分)当たり1円高い1419円だった。10週ぶりの値上がりとなったが、前年同期の同91・7円よりも12・9円安。道内の平均価格も前年同期比15・2円安の同78円となっている。

 市の価格動向調査(毎月10日調べ)によると、市内平均価格は8月が76円10銭(前年同月比18%安)、9月は76円60銭(同16・5%安)、10月は77円50銭(同16・2%安)、11月も77円50銭(同16・3%安)となっている。

 同センターは、灯油価格について「新型コロナ流行に伴う経済活動停滞で、原油価格と連動して下がってきた」とした上で、原油価格の上昇分を小売価格に転嫁する動きがあり、全国平均価格は来週も小幅な値上がりを予測する。

 有珠の沢町のパート従業員女性(55)は「今までが高すぎた。暖房を付ける時間が増えるので、家計にとっては大きい」と喜ぶ。春日町の団体職員、須田健二さん(49)も「職場でも灯油の安さを実感でき、とても助かっている」と話す。

 苫小牧消費者協会の山内幸子会長は「一般消費者にとって、灯油の値下がりはありがたい」と歓迎。「(1リットル当たり)100円まで上がった時には、極力暖房を付けることを控える人もいた。このまま上がらないでほしい」と述べた。

 一方、売り上げ減となっている事業者は複雑だ。灯油販売道内最大手のコープさっぽろ(札幌市)は、8月から灯油の価格を1リットル当たり78円に設定。2017年10月以来の低水準で、前年の同時期より15円安い。担当者は「航空業界の低迷が深刻で、燃料在庫がだぶついている」と説明。「今後、コロナワクチンの開発が進んだり、経済活動が活発化したりすれば石油価格は上がる。コープとしては生活に貢献できるような価格設定に努める」と語る。

 石油、ガス販売事業などを手掛けるフジタ産業(苫小牧市)の藤田健次郎社長は「コロナ禍で購買マインドが下がっている」と指摘。「家庭用については前年並みのニーズがあるが今後、警戒レベルが上がって飲食店の休業が増えれば業務用需要は落ち込む可能性がある」と懸念を示した。

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