東京五輪の1年延期をはじめ新型コロナウイルス禍の時勢に数えると切りがない異変が相次いだ今年のスポーツ界。選手は当然、ファンにも驚天動地の展開が連続した。
地域紙の本紙が取材対象としているアマチュア野球にとっても、当地チームがこぞって目指す国内栄冠を懸けた各大会中止が春から続出し、辛抱を余儀なくされたシーズンとなった。秋になってから、プロ野球ドラフト会議で東胆振関係の新人4人の誕生に救われた気がした。
北海道日本ハムから単独1位指名を道産子として初めて受けた渡島管内鹿部町出身で苫小牧駒沢大の伊藤大海投手が1日、満面の笑みで仮契約をした。
2日に同球団と白老町出身の根本悠楓投手(苫小牧中央高)が5位契約。さらに同町出身の若林楽人外野手(駒沢大―駒大苫小牧出)が埼玉西武、むかわ町出身の河村説人投手(星槎道都大―白樺学園高出)が千葉ロッテにそれぞれ4位入団の運びだ。圏域関係4人が同時にプロ球界に羽ばたくのは全く異例な出来事で、ここ30年記者をしてきた小職も率直に驚く。部活停止期に自主練習に励み、試合に臨んだ彼らが高みへ向かう。
夏の甲子園で駒大苫小牧の2004年以来2連覇と06年準優勝当時、全員が幼少期。今までの野球歴がどこかで交わる本紙エリアで成長した若者たちのプロ入りは実にめでたい。逆境だらけの20年に選ばれたのだから、ファンに希望を与え続ける選手に大成を、と期待する。(谷)









