正念場

正念場

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。道内では12月に入ってすでに98人の感染者が死亡。1カ月としては最多だった11月の84人を上回っている。道は集中対策期間を1カ月余り延長。25日までの2週間は札幌と旭川で感染のリスクを回避できない場合、不要不急の外出を自粛するよう求めている。感染リスクを回避できない場合とは、国が示す新しい生活様式の北海道版「新北海道スタイル」を実践していない施設の利用や大人数、長時間にわたる食事などを指す。

 曖昧な表現で個人に判断が委ねられており、対策を取れていれば容認する―とも受け取れるが、今は生活に必要のない外出はなるべく控えるべきだろう。来月15日までは家庭内でも5人以上、2時間を超える飲食を控え、年末年始のあいさつ回りも自粛することなどを道は要請しており、あちこちから悲鳴が聞こえてくる。しかし、感染者が増えればさらに経済は落ち込むし、非常事態に対応する医療現場の負荷も減らさなければならない。

 最も懸念されるのは、年末年始の医療体制。専門家も「何としても重症者のさらなる増加を抑えたい」と訴える。1日の新規感染者は東京でついに600人を突破し、胆振管内も連日の2桁台。収束の鍵とされる集団免疫の獲得にはなお時間を要するとみられ、今はできることをやるしかない。この時期は換気も朝晩は寒くてつらいが、着実に対策を実行したい。(輝)

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