新型コロナウイルスの感染拡大は第3波のただ中。春の第1波が収まった後、専門家たちが今冬の爆発的な感染拡大に警鐘を鳴らし、個人の意識と行動の変容、働き方、医療や保健衛生の態勢づくりを強く訴えていたのを思いだす。
自衛と利他のためのマスク着用や手指消毒、3密(密閉、密集、密接)の回避などは日常に定着した。にもかかわらず全道・全国で上積みされる感染者数や死者の数は、”自助”となる個人レベルの対策の徹底ばかりを叫んでいても状況の改善は難しいことを示している。菅首相の打つ手は常に後手だ。亡くなる人が累々と増え続け、病床は逼迫(ひっぱく)し、一部の地域で医療崩壊が顕在化した。状況が長期化するほど経済の打撃もいっそう大きくなる。「勝負の3週間」の雲行きは怪しい。
コロナは私たちに緊張の連続を強いている。子どもの心の病に関する相談機関は相談件数が増えているという。学業の遅れや人間関係、進学の不安を抱えているためだ。併せてこの10年、減っていた全国の自殺者数は7月から増加に転じた。女性の増加が顕著だという。厚生労働省は、コロナ流行の長期化による生活苦や家庭の悩みの深刻化が背景にあるとみている。子どもも大人も心は過労状態にある。
疲れた心に必要なのは希望。一部の国はワクチン接種が始まった。日常にささやかな楽しみを見つけながら、日々できることを地道に続けて来る春を待とう。冬ごもりさながらに。(司)









