王子 準決惜敗も立て直し3位  全日本IH選手権総括

王子 準決惜敗も立て直し3位 
全日本IH選手権総括
2年連続の3位だった王子=13日の3位決定戦、テクノルアイスパーク八戸

 第88回全日本アイスホッケー選手権大会が12、13両日、青森県八戸市のテクノルアイスパーク八戸でトーナメント準決勝以降が行われ、2年ぶりの王座返り咲きを狙った王子は3位に終わった。新型コロナウイルスによる大会規模縮小でアジアリーグ加盟チームが出場し、ひがし北海道が前身の日本製紙時代を含め5年ぶり8回目の優勝。地元開催の東北が2位と健闘した。

 王子は初戦の準決勝で東北と激突した。第1ピリオド6分から立て続けに反則によるキルプレーに陥ると、1分近い3人守備で5人を迎え撃つ大ピンチをしのいだ直後、失点。12分すぎにDF佐々木の強烈なスラップショットで一時同点に追い付いたが、すぐさま勝ち越された。

 開催中のジャパンカップ(JC)では先制を許した3試合で勝利したのはわずか1回。苦手とする追い掛ける試合展開にJC1試合平均5・3得点、2・4失点を誇る攻守が機能を阻まれた。「リードされる状況をまずつくらないことを話し合ってきたが、それができなかった」と菅原監督。終盤にようやくスイッチが入り、計45本と東北の倍以上シュートを放ったものの、43歳のベテランGK橋本を中心とした東北の防御の前に逆転はかなわず、2―3で敗れた。

 続く栃木日光との3位決定戦は、GKをマッキンタイアから成澤に変更したほかFW、DFを含めた大幅なセット構成変更を断行し、「刺激を入れた」(菅原監督)。2点リードから2度同点に追い付かれゲームウイニングショットまでもつれたが、4―3の小差を物にした。FW中島は「敗戦から気持ちを切り替えて、チーム一丸になって勝利できた」と話した。

 ひがし北海道はクラブ化2年目では初の頂点到達。今大会2試合で先発し、共に1失点だった守護神オージンシュをはじめ、決勝で2点を挙げ大会最優秀選手に輝いた苫小牧市出身FW入倉、第1セットのCFを担い最優秀新人賞を受賞した齊藤などが活躍した。

 東北はGKを除いたプレーヤー15人と少人数ながら、潤沢な選手数を擁する道内勢と互角の勝負を繰り広げ、集まった地元ファンらを沸かせた。大会連覇を狙った栃木日光は準決勝、3位戦共に敗れたがそれぞれ1点差のゲームを物にできなかった。

(北畠授)

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