師走の鳥

師走の鳥

 今月初旬、所用で行った苫小牧の白鳥王子アイスアリーナから外に出て、隣地の中央公園に目をやるとカラスが十数羽飛んでいた。2羽の行動にくぎ付けになった。

 木の実をくわえながら羽ばたいて垂直上昇し、それを宙に放り出した途端に急降下し、くわえ直す。目の錯覚かと思い、見続けると2羽だけが同じ動きを再三反復。「芸」を磨いているような個体と出合った。

 道路の上にカラスがいて、くわえた木の実を置いて通行する車のタイヤに踏ませる行動ならたまに目にするが、空中でわざと落下させた実をくちばしで捉える様子を記者は初めて目撃した。種子を道具にして「遊ぶカラス」なのか。くだんの2羽が飛び去るまで目で追ったが、光景に遭遇時、望遠レンズ付きの一眼レフカメラを持たずにいたのが心残り。中央公園では、ますます空に目を凝らし、撮影に挑もうかとも思っている。

 千歳に勤務していた昨年暮れ、平日に取った休暇で支笏湖へ行った。カメラを携え、寒風吹き抜けるほとりに立つと、偶然にも大きな翼を広げたオオワシ1羽が湖上を飛行中。せつな、水中の魚に脚のかぎ爪を突き立てて運び去る狩りの始終を無我夢中になって連写できた。

 ロシアから来るオオワシ。本紙4日付のウトナイ湖サンクチュアリ・レンジャー通信によると、昨年2月の調査では、勇払原野全体で24羽が確認されたとか。「冬の使者」と出合えれば、羽ばたきを見詰めたい。(谷)

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