苫東石油備蓄苫小牧事業所(苫小牧市静川)の職員で構成する自衛防災組織がこのほど、火災等の災害発生に備えた自衛防災の技術を競う「2020年度石油コンビナート等における自衛防災組織の技能コンテスト」で奨励賞を獲得した。同社のコンテスト受賞は3回目で、道内の事業所では最多の記録という。
消防庁が主催するコンテストには全国から30組織が参加。屋外貯蔵タンクで火災が発生したとの想定で、大型化学高所放水車などの特殊車両で放水活動を行う際の速さや正確性、隊員の安全確認―といった項目を競う。同社苫小牧事業所は7人のメンバーで構成。石油備蓄基地共同防災組織「苫東石油備蓄隊」の名で参加し、10月下旬に石油コンビナート基地構内において、審査員立ち会いの下で開催した。
コンテスト2週間前に高所放水車に取り付ける30メートルホースが破損するアクシデントがあった中、本番では各隊員の安全管理や中隊長を中心とした確実な操作などが評価された。中隊長を務めた小田一孝防災課直長(46)は「30チームがエントリーした中で上位に選ばれたのは率直にうれしい」と言う。一方で「今回は優秀賞を取るつもりで臨んでいた。うれしさよりも残念」と悔しさものぞかせた。
23日に胆振東部消防組合消防本部で表彰伝達が行われ、松永忠昭消防長は「3度目の受賞のいずれもメンバーが入れ替わる中、それぞれ防災に対する技術が高いと感じている。新型コロナウイルス感染症対策を取りながらこの成績はすごい」と評価。同社苫小牧事業所の山口達史所長は「消防本部の方にも来てもらい、夏から何度も繰り返し訓練を重ねていた。努力が評価されてうれしく思う」とねぎらった。

















