苫小牧市街地は積雪ゼロで情緒あふれるホワイトクリスマスとはいかないようだ。子供たちへのプレゼントを持つサンタクロースを乗せ、そりを引くトナカイさんが良い子の家々を無事に回れるか心配だ。
自民党5派閥の後ろ盾を得て鳴り物入りで誕生した菅義偉政権だが、わずか3カ月で支持率が急落している。政権発足時、60%超に上った高い支持率は、直近の報道各社の世論調査で40%を切ったり、不支持が支持を上回ったりするケースが見られ、政権末期の様相だ。来秋までに総選挙を控える政権与党には無視できない数字だろう。
首相に近い元法相の河井克行・案里夫妻の参院選巨額買収事件や安倍晋三前首相の「桜を見る会」の私物化疑惑と前夜祭の経費補填(ほてん)問題、吉川貴盛元農水相への鶏卵生産会社の現金供与など「政治と金」にまつわるスキャンダルが次々に露呈。日本学術会議の新会員6人の任命拒否や、専門家の意見とは擦れ違った「Go Toトラベル」の対応や説明不十分のままの方針転換と、政治への不信感を駆り立てる題材は枚挙にいとまがない。
政治の世界で一度失った信頼を取り戻すことは容易ではない。が、不可能というわけでもない。信頼回復には国民が抱くさまざまな疑問に丁寧に答える必要がある。目前の諸問題に、国民を納得させる心と言葉を持ち合わせているのか。首相の今後の姿勢に注目が集まる。(教)









