白老町立国保病院は、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた発熱外来の患者に対し、早ければ来年1月からPCR検査を開始する。従来は感染の有無を調べるため、患者自身が苫小牧市に赴いて検査していたが、同病院で判定を受けられるようになる。同病院は「地元で調べられる態勢を整え、患者の安心感と負担軽減につなげたい」としている。
同病院は新型コロナ流行を踏まえ、熱やせきなどの症状が出た人を診察する発熱外来を2月24日に開設。院内の外科処置室を活用した診察室を設け、患者に対応している。検査に関しては、同病院で態勢が整っていないため、苫小牧市の発熱検査センターなどを紹介。同病院が必要に応じて患者の検体を採取し、苫小牧保健所へ運ぶケースもあった。
発熱外来には、開設から今月16日までに150人が受診。このうち70人がPCR検査を受け、その多くが苫小牧市へ赴いて調べたという。患者が高齢者などの場合、苫小牧への移動負担も少なくないことから、同病院は診察とPCR検査を行う態勢を整備し、「できれば年明けの1月ごろから始めたい」と言う。
検査では、患者の唾液や鼻腔(びこう)粘液といった検体を採取し、その日のうちに陽性、陰性を判定できるようにする。陽性の際には保健所へ連絡し、必要な措置の指導を仰ぐ。同病院は「地元白老でも検査ができる形をつくることが、患者の安心感につながるのではないか」と話し、今後、簡易検査キットを導入し、検体採取の準備に取り組む。
また、発熱外来に関しては、2月に診察室を病院の屋外に設置する。建物はモビリティーハウスと呼ばれる簡易的施設を活用。室内の空気を浄化し、屋外へ漏れ出さないようにする陰圧装置も取り付ける。診察室の屋外設置で、発熱患者と他の患者の接触を極力避けるようにし、感染拡大や院内感染を防ぐ考えだ。
新型コロナに加え、インフルエンザの流行期を迎えたことから、同病院は「増加傾向にある発熱患者へ適切な処置を講じる態勢を整えたい」としている。

















