公立小学校の全学年の学級定員を2025年度までに、現行の上限40人から35人に引き下げる方針を国が発表したことを受け、苫小牧市内の教育関係者から歓迎の声が上がっている。道内は1、2年生の35人学級が先行導入されており、3~6年生も市内では36人以上が1割程度。事実上の35人学級化がほぼ進む中、関係者は「児童にきめ細やかな指導ができる」と強調している。
全国公立小学校の学級定員は現在、1年生が35人、2~6年生が40人。道内ではすでに1、2年生を35人学級とした上、今年度から3、4年生でも段階的に導入が進んでいる。
市内の状況を見ると、小学校全体で293学級(通常学級)あり、児童数は8492人。1学級当たり平均で28・98人となる。35人学級が先行している1、2年生を除いた3~6年生は190学級で、このうち児童数36人以上は約1割に当たる21学級。苫小牧市教育委員会は「(定員引き下げの)影響を受けない学級が多い」と説明する。
それでも教育現場の期待の声は大きく、市内一の児童数865人を誇る苫小牧ウトナイ小学校の丹野靖彦校長は、「一人一人への指導がしやすくなる」と喜ぶ。ただ、校内にはすでに30学級があり、今後教室を増やす場合は「転用が可能なのは数カ所程度」と施設側の課題を挙げる。
苫小牧美園小学校は6年が2学級あり、1学級の児童数は39人。人数分の机が並ぶ教室内はやや手狭で「参観日になると保護者が教室に入り切れず、廊下にも出てしまう」と工藤倫主幹教諭(50)。高学年は「精神面などできめ細やかな指導が必要」といい、定員引き下げは教育環境が向上するとして受け止めは前向きだ。
保護者も歓迎している。苫小牧澄川小は4年が3学級あり、1学級当たりの児童数は約30人。子どもを通わせている松永亜希子さん(43)は「先生の目が行き届きやすいし、子どもも伸び伸びと学べる。35人よりも少ない方がいい」と話す。
市教委は15年度以降、道教委に「35人以下学級の堅持および拡充」を毎年要望してきた。それだけに今回の国の方針発表は「学びの保障はもちろん、教室内のスペースが確保できることは、感染症対策の面からも大きい」と五十嵐充教育長。今後は教室の確保という新たな課題も出てくるが、「どのような形で進めていけるのか、(国や道と)しっかり相談していきたい」と話している。
















