言葉

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 苫小牧で迎えた2度目の冬。昨年はウトナイ湖でハクチョウを見たり、アイスホッケーの試合を観戦したり、寒さに震えながらも冬を満喫した。新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない首都圏にきょう、緊急事態宣言の再発令が決定される見通しだ。苫小牧市内は現時点で外出自粛を求められているわけではなく、マスクを着用し、十分注意した上で出掛けることは可能だ。けれども、昨年と同じように冬を楽しむ気持ちにはなかなかなれない。

 2月下旬までにワクチン接種を開始する方針を政府は表明した。市も接種体制の整備を急いでいるが、広く市民に行き渡るのは夏以降になるのではないかとみている。接種できたとしても効果はどのくらいあるのか、副作用による健康被害はないのか―。分からないことが多く、以前の日常がそうやすやすと戻ってくるとは思えない。

 コロナ禍に見舞われて約1年。終わりが見えない。人々の言葉がとげとげしくなっているのを感じる。子どもの頃から吃音(きつおん)に向き合ってきたバイデン氏の次期米大統領就任が、同じ悩みを持つ人たちに希望を与えているとNHKニュースが報じていた。うまく話せなくても、つかえても、伝えたい言葉を口にする努力を懸命にしている人たちをバイデン氏は励まし、助言していた。言葉は人を差別したり傷つけたりするためにあるのではない。こんな時代だからこそ希望に満ちた言葉を社会にあふれさせたい。(吉)

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