新型コロナウイルス感染拡大の影響が、水揚げ日本一を誇る苫小牧産ホッキの取引価格を直撃している。1キロ当たり卸値(税抜き)=単価=は2020年の月別平均で246~505円、前年比最大244円安で推移した。漁業者は出荷調整で休漁するなど、価格の回復を促したが大苦戦。苫小牧漁業協同組合(伊藤信孝組合長)は「当面は厳しい状況が続く。時代に合った販売促進を考える」としている。
同年のホッキの平均単価を見ると、1月は前年同期比8円高とまずまずのスタート。しかし、2月は苫小牧市内でコロナ感染者が発生し、道も緊急事態宣言を出したため、下旬から飲食店需要が急速に落ち込み同12円安。平年相場と比べて100円以上安い日もあったため、3月は休漁日を設けて出荷調整し、同17円高といったん持ち直した。
4月は国が緊急事態宣言を発令し、首都圏の飲食店を中心に高級食材の引き合いが途絶えて大打撃。産卵期による休漁の5、6月をまたいたが、7月も価格は回復せずに低迷し、8月には最大マイナス幅の244円安を記録。漁協は国がコロナ対策で用意した資源・漁場保全緊急支援事業を活用した。
9~11月も休漁日を設けて価格の回復を促しつつ、漁業者は休み返上で移植放流を延べ18日間、漁船162隻で展開。114・8トンのホッキを苫小牧沖の西部の岸辺から沖合へ移し替え、資源増強を図った。こうした取り組みやコロナの一時的な沈静化が奏功し、9月は同3円安まで回復したが、感染の再拡大に歩調を合わせるように10月以降は前年比50~161円安と再び下落した。
同漁協は「コロナ禍で首都圏を中心に飲食店のホッキ需要が落ち込んでいる。漁業者にとって厳しい状況」と強調。1都3県で緊急事態宣言が再発令され、「当面は飲食店需要の回復は見通せない」と話す。一方で高級食材が比較的低価格で市場流通する可能性が増えるとあり、「個人需要・消費の拡大をこれまで以上に大切にしたい。地元でホッキにより親しんでもらえるよう、新たな取り組みを考えていく」と巻き返しに望みを懸けた。
















