「初めて 心から勉強したいと思いました」。往時の同僚からの年賀状の書き込み。感染症と人類の闘いの歴史を知って考えたそうだ。
何かを「学びたい」と切実に思い、「勉強しておけばよかった」と後悔することがある。自由な時間は増えているはずなのに根気や体力が衰えて行動を起こせず、後悔ばかりが積もっていく。今年も、さっそく「勉強していれば―」と、後悔の第1号。むかわ町穂別地区で30年ほど前に発見されていた、新種の可能性のある恐竜化石についての7日の報道が原因だった。
河原は子どもの頃の主要な遊び場だった。大小の色とりどりの石を見て手に取り、川に投げ込んだり、気に入った物をポケットに入れて持ち帰ったりしていた。小学校には、遊び場の川の上流にあった炭鉱一帯で発見されて持ち込まれた貝やアンモナイトの化石が無造作に置いてあった。色や手触りを確かめるだけだった化石や岩石、火山や地震の世界に興味があると自覚したのはずいぶん後のこと。
もしもあの頃、この石は堆積でできたものか、火山活動によるものか。年代はいつごろのもので、どこからきたのかと考え学んでいれば―。中公新書ラクレ「素敵な石ころの見つけ方」を探し出し新聞記事や石の写真を眺めながらの後悔が続く。
首都圏はきのうから緊急事態宣言。初日、どれだけの人が後悔しない行動を選ぶことができたか。優等生だった北海道の感染者数の増加も気になる。(水)









