日本野鳥の会がまとめた猛禽(もうきん)類チュウヒの全国個体数調査結果によると、全国で136組のつがいを確認し、このうち20組が苫小牧市内の勇払原野周辺にいることが分かった。チュウヒは環境省のレッドリストで絶滅危惧種1B類に指定され、個体数の減少が懸念されている。同会は苫小牧が国内有数の繁殖地であるとし「勇払原野に貴重なチュウヒがいることを多くの人に知ってもらいたい」としている。
調査は2018年から20年の毎年5~8月に実施。繁殖に適した国内複数の場所で営巣状況などを調べた。その結果、全国で136組のつがいを確認した。このうち117組が道内で、サロベツ原野周辺58組、勇払原野周辺20組、石狩川流域15組、釧路・根室地方11組など。本州は青森と秋田が各4組、石川で7組、茨城、愛知、三重、福岡で各1組となっている。
本州では10年ごろまで40~50組の繁殖が確認されていたが、現在は半分以下の19組。15年の調査では全国で160~170組がいたとされる。道内は10年ごろまで釧路・根室地方に18組いたが減少している。道内は大きな繁殖地だが、開発行為などで餌を捕獲できる草原が減ったことが影響している。
同会は道内に繁殖環境が残っていることを挙げるが、厚真町内で計画中の風力発電事業による将来的な影響を懸念する。
チュウヒは国内で唯一、湿原で繁殖するタカ科の鳥類。春から夏に北海道と本州以南の一部の湿原や草原で繁殖し、11月から翌3月ごろまで本州以南で過ごす。近年は開発や湿地の乾燥化で営巣環境が悪化している。
















