日々使っているパソコンで「せいじか」を入力した際、「政治禍」と変換されて驚いた。「政治家」以外、表記したことはない。感染拡大に歯止めがかからない新型コロナウイルスと、世論調査の内閣支持率が急降下した菅義偉首相の顔が思い浮かんだ。
通常国会が始まった。まずはコロナ対策の医療や経済の各種支援を盛った補正予算案と関連法の改正が議論される。手当てが必要な人々がたくさんいる。早急に策を進めてもらいたい。
ただ、関連法の改正で政府は、対策の実効性を高めるために一部で懲役などの刑事罰を考えている。政権が法の解釈を変更したり、法を乱用して人権を侵害したりした事実がある。与野党に慎重な議論を望む。感情的に言わせてもらえば、当初から専門家が懸念し、指摘していた冬の感染拡大への備えを怠った政府にこそ罰を与えたい気分だ。
それにしても国会。発言の責任の軽さ、信用の失墜はゆゆしい。首相として1年以上にわたって国会で118回も事実と異なる答弁をし、否定してきたことを、後から「事実でした」と発言を訂正し、短時間の質疑で「説明責任を果たした」と言ってのけた安倍晋三氏。言動の軽さはかねて際立つ人だが、「国権の最高機関」での虚偽発言をこれで落着していいわけはない。訂正する以上、証拠書類を全て示し、根本がひっくり返った全ての質疑をやり直すべきだ。筋を通してほしい。虚がまかり通る国会を看過できない。(司)









