むかわ町の穂別高校(小野達彦校長)は22日、がん教育講演会を開いた。一般社団法人地域マネジメント・アソシエイツ代表理事で札幌学院大学の非常勤講師を務める戸根谷法雄さんが、がん患者の立場から自身の体験談を語り、がん患者への接し方などをアドバイスした。
戸根谷さんは2009年に原発性肝細胞がんであることを告げられた。開腹切除手術を行った際に肺機能の低下により危篤状態になった時のエピソードをはじめ、11年6月に肝臓がんを再発し、現在までに13度の入院・治療を受けていることを明らかにした。
実際に宣告を受けた時は、悲壮感や絶望感にうちひしがれ、「死を身近に感じ、『頑張れ』や『大丈夫』といった励ましの言葉は心に届かなかった」と振り返った。
また、周りに人がいなくなって「孤独に駆られた」とも言い、「いつもそばにいてくれたり、さりげない優しさがうれしかった。自分を前向きにしてくれるものや人の存在が自分にとって大きかった」と語った。
代表してあいさつした西村柚希さん(3年)は「もし身近に病気になった人がいた時に、相手の立場になってそっと寄り添える存在になれたら。将来は看護師を目指しており、今回の講演を今後の勉強に生かしたい」と思いを述べた。
同校は今年度、がん教育総合支援事業の推進校に指定されている。

















