創造的に生きる力育む 今年度内に成案化 学校教育基本計画案まとまる 白老

創造的に生きる力育む 今年度内に成案化 学校教育基本計画案まとまる 白老

 白老町教育委員会は、向こう8年間の教育目標や方向性を示した新たな学校教育基本計画案(2021~28年度)を取りまとめた。次代を担う子どもたちが、人口減少や技術革新の進展など変化の時代を自主的、創造的に生きる力を育む24の基本施策や目標値を示した。計画案は今年度内に成案化する。

 町教委は、5年間の現行計画が今年度で最終となるため新たな計画を作ることにし、第6次白老町総合計画(20~27年度)を踏まえて計画期間を8年間と定めた。新計画は、町教育大綱に掲げた「ともに学びあい、こころひびかせ、笑顔かがやく教育の町しらおい」を基本理念とし、▽新しい時代に生きる子どもたちの豊かな成長を支え育む▽地域に信頼され、地域と共にある学校づくり▽多様化するニーズに対応した教育環境整備の推進―を基本目標とした。

 基本目標に沿って「確かな学力の育成」「健やかな体の育成」「ふるさと教育の充実」など九つの基本方向を示し、24項目の基本施策を盛り込んだ。学力向上を目指す施策では、小中一貫・連携教育、ICT(情報通信技術)機器を活用した授業やオンライン学習、放課後学習の充実などを推進。家庭学習の習慣化にも力を入れ、学校授業以外の勉強時間が1時間以上とする児童生徒の割合を現行60%台から70%台へ引き上げるとした。

 豊かな人間性を育む施策も重視し、各分野のプロを招いた講演会、認知症サポーター養成講座、ボランティア活動の推進、道徳教育の充実などに取り組む。学校図書館の蔵書整備など読書活動の推進にも力を入れ、1日の読書時間を10分以上とする児童生徒の割合を現行30%台から50%へ向上させる目標値を示した。

 いじめの認知件数や不登校が増加傾向にある中、対策を強化。児童生徒へのアンケートや相談対応で早期の発見と解決に努め、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、教育支援センター指導員も連携して対応に当たり、安心して学校生活を送れる環境づくりを推し進める。

 全国体力・運動能力のテストで、白老町の小学生は男女共に全国平均と同等以上の結果を示しているものの、中学生に関しては全国平均を下回っている状況にある。このため、新計画案には体力向上プラン作成などの施策を盛り、運動を好む児童の割合を現行66%から80%へ、生徒は現行48から70%へ引き上げる数値も掲げた。

 また、ふるさと教育に関しては、アイヌ民族の歴史と文化に関する学習や職員研修を推進。教育環境の整備では、地域の実情に応じた学校の適正規模方針を作成するほか、学校施設の耐震化率を現行94・7%から100%にするとした。

 町教委は、2月から3月にかけて行うパブリックコメント(意見公募)を経て新計画を策定し「学校、家庭、地域、行政が連携、協働しながら新しい時代に生きる子どもたちを育んでいく」としている。

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る