学ぶ

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 地方新聞社に勤めて、いろいろな働き方を経験してきた。1人支局勤務は今風にいえばテレワークか。コンピューターもインターネットも携帯電話もない時代のこと。

 連絡は机上の黒電話か外出中なら街角の公衆電話で行っていた。本社の編集局には管理部門と、記事に見出しを付け、紙面の割り付けをする整理部門がある。記者の取材は当然社外。記事作成も社外のことが多いという報道機関の特殊性もある。

 新型コロナウイルス感染防止のため、満員電車での長時間通勤を避けるテレワークを昨年から始めた首都圏の知人に、感想を聞いてみた。極めて快適だという。従来の通勤時間は往復約3時間。それを子どもとの散歩やピアノ遊びに向けられる。

 仕事は建築関係。紙の図面を見なければならない時や決済の印鑑を押す時などは出勤が必要になるが毎日のことではない。常時顔を合わせて腹を探ったりごまをすったり、週に何度かはなじみの居酒屋で上司の悪口を言う。そんなサラリーマン文化もある。脱却は難しくないのだろうか。部下が本当に働いているか信用できない上司、働きを正当に評価されているか信用できない部下だっているに違いない。「そういうタイプの人たちはどうも辞めていくようだ」

 長い感染症との闘いで人類が学んだのは科学や医療の大切さと宗教の限界といわれる。魔よけで病気は治せなかった。政治や行政を鍛えたのも感染症。働き方も深く変えるのか。(水)

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