白老町は、従来の行政改革大綱と財政健全化プランを一本化し、2021年度にスタートさせる行財政改革推進計画の素案を取りまとめた。人口減少の進展で町財政が厳しさを増していく中、財源確保と経費抑制をより意識した行財政運営を推進し、将来にわたり安定的な行政サービスの提供に努める。計画には役場組織の効率化を目指し、庁内の部署数を減らす大課制の機構改革も示した。
同計画の期間は21~28年度の8年。白老町も人口減に伴い、町税や地方交付税など歳入の減少が見込まれる中で、効率的な行財政運営を図るため新たな計画を策定する。
素案では行財政改革の柱として▽効率的・効果的な行政運営▽公共サービスの再構築▽持続可能な財政運営―を掲げ、これに基づく実施計画に24項目を示した。
行政運営関連では、策定作業中の町定員管理計画(21~28年度)に沿って職員数の適正化を推進し、人件費の削減につなげる。21年度に役場組織の機構改革も行い、複数部署の集約で現行21課(消防と町立病院を除く)から16課へ減らす大課制を推進。管理職の削減と縦割り排除による業務の効率化を図る。
人口減少を背景に、既存公共施設の再編や廃止も推進。17年度から15年間で施設総量(延べ床面積)を3割減らすとした町公共施設等総合管理計画を推し進め、維持管理コストを縮減させる。公共サービスの再構築に向けては、新たな事業を行う際に原則、既存事業を統廃合し経費増大を抑えるスクラップアンドビルド方式を推進する。
この他、ICT(情報技術)活用による住民サービス向上、民間業者への業務委託と完全委譲の推進、財源確保に向けた補助金や助成金の獲得や遊休施設・遊休地の売却、ふるさと納税、移住定住の促進などを計画に示した。
一時危機的状況に陥った町財政は、健全化計画の実行で改善。19年度決算では一般会計の起債(借金)残高を98億円にまで減らし、財政調整基金(貯金)を9億円超に増やす成果を出している。しかし、人口減の本格的な進展で財政事情の厳しさを増すことが予想され、推進計画最終年の28年度の一般会計歳入について町は、19年度比約26億円減の94億7000万円程度になり、その後も落ち込み続けるとみている。
こうした状況に町は「行政組織やサービスを現状の水準で維持し続けるのは困難」とし、「これまで以上に行財政改革を促し、安定的、継続的な住民サービス提供を実現したい」と言う。推進計画は、3月2日までのパブリックコメント(意見公募)や議会の意見などを踏まえて成案化する。

















