20年救急出動件数 前年比178件減923件 胆振東部消防組合消防本部

20年救急出動件数 前年比178件減923件
胆振東部消防組合消防本部

 胆振東部消防組合消防本部がまとめた厚真、安平、むかわ3町に係る2020年の救急出動件数は、前年より178件少ない923件となり、1000件を割った。同組合は減少の一因として、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う「救急要請の見合わせがあったのでは」と推測している。また火災の発生件数は同じく7件減の16件。19年に4人だった火災の死者は18年以来のゼロだった。

 昨年の出動内訳で最も多かったのが「急病」の577件で、前年比98件減った。次いで「一般負傷」が130件(前年比10件減)、転院搬送など「その他」が126件(同34件減)、「交通事故」が60件(同20件減)、「労災」が35件(同1件減)、スポーツなどによる「運動」が6件(増減なし)など。19年に3件あった「加害」は1件で、「水難」はなかった。

 月別に見ると、12月が91件と最も多く、次いで8、10月が各89件、2月が85件、6月が83件。道や政府による「緊急事態宣言」が発令された3~5月は69件、53件、65件と少なく、この3カ月だけで前年比68件の減少となった。

 同組合は大幅な減少の要因として、新型コロナウイルス感染拡大の影響を挙げ、「発熱などで救急要請をしていた人が病院での感染を危惧して少し様子を見る、病院に行くのを控えるといったケースが多いのでは」と予想。「出動が減ること自体は悪いことではない」とし、引き続き救急の適正利用を呼び掛ける考えだ。救命講習会についても「昨年は実施回数が減ったが、環境が整えば、開催したい」と話している。

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 併せて発表した20年の火災16件について町別に見ると、厚真町が前年比4件減の6件、安平町が6件減の3件、むかわ町は3件増の7件(鵡川地区4件、穂別地区3件)だった。

 内訳は「建物」が9件(前年比2件減)と最も多く、「車両」が2件(同1件増)、野火など「その他」が5件(同5件減)。林野火災はなかった。発生は、雪が解けて乾燥する3~5月にそれぞれ3件ずつと目立った。

 同組合は昨年、新型コロナの影響で戸別の査察などが難しかった分、チラシや町の広報、防災無線を通じた取り組みに注力した。当面は広報活動を中心に、引き続き火の取り扱いについて注意を呼び掛け、住宅用火災警報器の設置を周知、促進していく考えだ。

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