胆振総合振興局は16、17両日、新型コロナウイルス感染拡大の収束後を見据え、外国人旅行者の受け入れ促進に向けた観光資源調査を白老町、登別市など胆振管内各地で行った。欧米やオーストラリア専門のツアーコンダクターが調査員となり、旅行者ニーズに対応する滞在・体験型プログラム開発などの可能性を探った。
同振興局は、北海道観光振興機構(札幌市)の「インバウンド(訪日外国人客)対応観光ルート創出事業」の対象地域として、2017年度から胆振管内で観光資源の発掘やルート創出の調査を続け、観光マップ作成や旅行商品開発につなげている。4年計画の事業の最終年に当たる今回は、欧米や豪州の旅行者をターゲットにした調査とし、旅行関連企業J&Jヒューマンソリューションズ(本社東京)札幌営業所のツアーコンダクター佐藤好美さんが調査員となって胆振各地の観光資源を巡った。
調査には、JTB北海道事業部の社員や同振興局職員ら4人が同行。初日の16日は伊達市大滝の多目的キャンプ場・ビレッジ大滝を訪れ、ベッドを備えたテントで優雅なアウトドアを楽しめるグランピングを視察。ボルト人形作りが体験できる室蘭市のボルタ工房、広大な庭園を持つ白老町のナチュの森も見学した。
ごみのリサイクルや再利用に取り組む登別市の廃棄物処理施設クリンクルセンターにも足を運び、環境問題に関心を抱く旅行者向け観光資源としての可能性も探った。
17日は登別市の森でスノーシュー(西洋かんじき)ウオーキングを体験した後、白老町へ移動。外国人旅行者に人気の宿泊施設haku(ハク)ホステルのカフェバーで昼食を取り、滞在型観光拠点として機能する施設に関心を寄せた。
調査に当たった佐藤さんは「胆振には、欧米や豪州の旅行者にアピールできる体験型観光ツアーの素材が多様にあり、その魅力をさらに高めていくことが重要だ」と指摘した。同行したJTB北海道事業部の観光開発プロデューサー柳屋みゆきさんも「コロナ禍でインバウンドの旅行がストップしている今を生かし、リピーターを増やす観光資源開発を各地で進めるべきだ」と強調した。
同振興局と同振興機構は今後、調査結果を取りまとめ、外国人旅行者の受け入れ体制や観光プログラム開発を管内各地に促す。

















