女性蔑視発言で会長を辞任した東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗氏(83)の後任に18日、五輪担当相だった橋本聖子氏(56)が選ばれた。地元の胆振管内では橋本氏の経験、競技者目線などに期待する声が上がる一方、選考過程を疑問視する意見や多様性、ジェンダー平等の実現に向けた注文も相次いだ。
元王子製紙アイスホッケー部監督で、駒大苫小牧高校在校時に橋本会長と同期生だった苫小牧市スポーツ協会の高木英克会長(55)は「五輪担当相として前々から頑張ってこられた。本道出身で苫小牧とゆかりの深い橋本さんを応援したい」と語る。「昔から実直に物事を進めるタイプ。各国と調整してぜひ成功裏に大会を催していただきたい」と活躍に期待を寄せた。
同じく高校時代のクラスメートという同市表町の飲食店経営高橋邦彦さん(56)は「スピードスケートに打ち込んでいた高校生の頃から負けん気が強く、ひたむきに頑張る姿を見ている。今はコロナで大変だが、きっと大役を果たしてくれる」と述べた。
苫小牧スケート連盟の千葉浩次会長(63)は「東胆振の出身者がオリンピックで中心的な役割を務めることは誇らしい。開催に向けて大変な苦労が待っていると思うがスポーツ選手や政治家としての実績があり、適任」とエールを送る。
「よかったという思いの一方で、五輪相を降りるのは残念という気持ちもある」と語るのは、橋本氏の出身地・安平町で地元後援会長を務める大屋和一さん(78)。参院議員に出馬した時からの付き合いで、気軽に”聖子ちゃん”と呼べる間柄だけに「コロナ禍の中、上手くできるか。今は健康に気を付け、無難にこなしてもらいたいという思いが強い」と気遣う。
橋本氏の名を冠した安平町スポーツセンター「せいこドーム」に勤める石井雅美さん(49)は「信頼されて皆さんに推されたことを誇りに思う」と喜ぶ。地元に帰省した際、子どもを連れて施設のプールを利用していた姿を思い出しながら、「いろんなしがらみがあるのかもしれないが、五輪を開催できるようにぜひ頑張ってほしい」と述べた。
自転車競技で国民体育大会通算10回の出場経験を持ち、作業療法士の資格を生かして東京五輪のメディカルスタッフにも名を連ねている苫小牧市の木賊(とくさ)弘明さん(41)は「橋本さんは夏、冬両方の五輪経験者として、アスリートたちの気持ちをよく理解していると思う。開催に向けて大きなけん引力を発揮してほしい」と期待する。
一方で、厳しい見方や注文も。白老町大町の無職、丸山伸也さん(68)は選考手続きの透明性に疑問を投げ掛け、「現職国会議員で前の五輪相が無難に組織委員会の長に滑り込んだ印象」と言う。苫小牧市美園町の無職田中弘美さん(79)は、橋本氏がかつて森氏が率いた自民党の派閥「清和政策研究会」に所属していた関係から「森さんの影を感じる」と指摘。森氏の発言に国際的な批判が集まったことにも触れ、「森氏や政界とは一定の距離を置くべき」と語る。
苫小牧市女性団体連絡協議会の北岸由利子会長(73)は「橋本氏が会長を務めること自体には異論はない」としながらも、「女性蔑視発言に関する組織委への批判を収めるため、『女性だから』選ばれた部分が透けて見える」と話す。「男だから女だからではなく、その人の能力や経験、資質が生かせるような適材適所がなされなければ、本当の意味でのジェンダー平等にはならないのでは」と訴えた。
















