白老町は25日、2021年度の各会計予算案を発表した。一般会計は20年度当初予算比で1・1%減の103億2000万円を計上。2年連続で前年を下回ったものの、4年連続で100億円台を維持した。予算案には新型コロナウイルス対策のワクチン接種関連事業をはじめ、コロナ禍で停滞した地域経済の活性化や、道路改修など生活基盤の充実を図る事業を多彩に盛り込んだ。
一般、特別、企業の全10会計の予算総額は20年度当初予算比3・1%減の189億3349万6000円。このうち一般会計は1億1000万円減少したが、過去10年間で4番目に大きい予算規模となった。
一般会計の主な歳入で町税は、大型太陽光発電所の新規稼働による固定資産税の伸びを見込み、1・0%増の23億6843万円4000円を計上。地方交付税は、人口減少に伴う普通交付税の落ち込みなどを考慮し、8・2%減の34億3000万円とした。
一方、歳出は、給与費や公債費などの経常経費を1・6%増の87億1110万1000円とし、政策予算の臨時事業費は13・3%減の16億889万9000円を計上。民族共生象徴空間(ウポポイ)周辺整備関連の事業完了などを要因に、20年度に比べ約2億5000円減った。
臨時事業は継続91件、新規43件。主な事業で保健関連では、町民対象に4月以降に開始する新型コロナのワクチン接種事業費を計上。40、50、60、70歳を対象に歯周病検診の費用を助成する新規事業も盛り込んだ。白老を応援したい人の力を借りて、まちのPRや活性化を図る「しらおいファンづくり事業」の予算も盛った。アイヌ民族関連では、国の新法を踏まえて町アイヌ施策基本方針を見直す作業の関連経費を計上。地元アイヌ文化の継承拠点ともなる白老生活館の改築設計費も盛った。
商工関連では、ウポポイ効果を生かした観光振興に力を入れる。町が育成した観光ガイド人材の活用を図る事業や、駅北観光商業ゾーン(ポロトミンタラ)のにぎわい創出に向けたイベント開催と遊具設置の経費を計上。土木関連では、地域要望の多い町道・道路排水の整備、町営住宅の改修など生活基盤の充実を図る施策を予算に反映。まちづくりの方向性を示す都市計画マスタープランの改訂関連費も盛り込んだ。
また、教育関連では小中学校や公民館などの施設改修費を計上。白老仙台藩陣屋跡の保存活用に向けた整備計画策定費も予算に組み込んだ。この他、役場庁舎建設基本計画策定に係る経費を盛り込み、懸案の建て替えに向けた具体的作業に入る。
予算案について戸田安彦町長は「コロナ対策の他、ウポポイ開設効果を活用した経済振興の事業を推し進めたい。また、町民生活に密接な施策や公共施設の長寿命化なども幅広く取り入れた予算編成とした」と説明した。町は3月9日開会の町議会定例会に予算案を提出する。






















