鈴木直道知事が25日の定例道議会本会議で、演説した道政執行方針の要旨は次の通り。
【はじめに】
新型コロナウイルス感染症が道内で初めて確認されてから1年余りが経過した。今なお世界的流行が続く中、本道においても多くの尊い命が失われ、社会経済に甚大な影響が及んでいる。この間、道では未知のウイルスに対する限られた知見の中で、専門家の助言も頂き、独自の緊急事態宣言や札幌市との共同宣言をはじめ、最大限の手立てを尽くし、この大きな脅威に立ち向かってきた。感染症との闘いは今も続いている。現下の危機を克服するためには、私たち道民が一丸となって、粘り強く取り組んでいかなくてはならない。私自らが先頭に立ち、いかなる困難にも正面から取り組んでいく決意である。
【道政に臨む基本姿勢】「道民の命と暮らしを守り抜く」。道知事として、このことを改めて心に刻み、引き続き感染症の対応に全身全霊で取り組んでいく。とりわけ、感染拡大防止対策の柱として大きな効果が期待されるワクチン接種については、医療従事者や高齢者をはじめ、道民への迅速かつ円滑な接種が可能となるよう、国や市町村、医療機関と緊密に連携し、地域においては振興局の広域調整機能も活用しながら、必要な体制を着実に整備する。
「ポストコロナの未来を切り拓(ひら)く」。まずは、しっかり「守り」を固めることを最優先とし、同時にポストコロナを見据え、「攻め」の政策も進めていく必要がある。さらに東京五輪のマラソン・競歩・サッカー競技、アジアで初となるアドベンチャートラベル・ワールドサミットの開催が予定されているほか、長年にわたり活動を続けてきた縄文遺跡群の世界文化遺産登録への期待が大きく膨らむ年となる。
「北海道の総力を結集する」。道の政策実行力を高めるため、Smart(スマート)道庁の取り組みを通じ、業務、働き方、組織風土の三つの改革を進める。
【重点政策の展開】
「現下の危機克服と感染症に強い地域社会の構築」。PCR検査センターの増設や医療機関における検査機器の導入を支援するなど、感染の早期発見・対応に努める。感染症対策を所管する庁内の組織体制を拡充するとともに、保健所や衛生研究所の機能強化を図る。昨年から進めてきた「新北海道スタイル」の一層の浸透に向け、巣ごもり需要などに対応した新たな事業展開やテレワーク導入への支援、効果的なPR活動も推進する。感染症の流行は子どもたちの学習環境に大きな変化をもたらし、ひとり親家庭や低所得者の暮らしに深刻な影響を及ぼしている。本道の将来を担う児童生徒の学びの機会を確保するため、厳しい経済状況にある人に対して奨学給付金を支給する。
「ポストコロナの新たな未来を切り拓く北海道づくり」。アイヌの歴史や文化は、本道が世界に誇る価値の一つ。昨年オープンした民族共生象徴空間(ウポポイ)と連携して、その魅力を国内外に効果的に発信し、広く理解の促進を図るとともに、アイヌ関連施設への誘客につなげていく。JR北海道に関しては、国が新たな支援策を明らかにした。道としても、本道の持続的な鉄道網の確立に向けて、JRの徹底した経営努力を前提としながら、観光列車の整備に対する助成や全道的な利用促進に資する協力・支援を行っていく。
【むすび】
本道では、前例のない都市銀行の経営破綻やリーマン・ショックという深刻な経済危機に直面した際にも、事業者の皆さまの不断の経営努力とともに、海外をはじめとした新規市場の開拓などにより、苦境を乗り越えてきた。社会全体が未曽有の危機に直面している今こそ、先人から受け継いできた「進取」と「貢献」の精神は、困難を乗り越える大きな力となるものと確信している。私は「北海道こそがポストコロナの未来を切り拓く」という信念のもと、全ての皆さまの力を結集し、将来にわたり誰もが安心して住み続けることができる地域社会の実現に向け、全力を尽くしていく。
















