被災者の無念を刻む 10年前の流木を大切に保管 東日本大震災の津波で漂着か?

被災者の無念を刻む 10年前の流木を大切に保管 東日本大震災の津波で漂着か?
石が食い込んだまま、10年前に苫小牧の浜に上がった木の一部

 「おそらく、東日本大震災の津波で流されたものでは」―。苫小牧市花園町在住の女性(77)が、2011年の3月末に市内の浜辺に流れ着いた流木の一部を大切に保管している。木には大小さまざまな石が複雑な向きで食い込んでおり「地中に埋まっていた根の一部では」と推測。荒波にもまれても木から離れなかった石に、亡くなった被災者の無念を重ね、10年の歳月に静かに思いを寄せる。

 木は直径約20センチ、高さ約30センチで、大きさ1センチ~10センチの石が10個ほど食い込んでいる。胆振総合振興局森林室森林整備課の職員によると、木は道内に自生していないケヤキとみられ「本州から流れ着いたものだろう」と話す。

 女性は近所の男性が浜で木を拾い、まきストーブの材料にするため短く切断しようとしたものを見掛けて譲り受けた。石が付いたまま、はるばる流れ着いた姿に心を打たれたためで「津波に流された人たちの『生きたい』という思いが宿り、浜に上がったのでは」と話す。「大勢の人が亡くなった震災を忘れないよという気持ちで、後世に残していきたい」と今後も大切にしていく考えだ。

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