東日本大震災から10年 「伝えることで守れる命」 被災地語り部フォーラム 語り継ぐ方法で 意見交換

南三陸町の復興状況を案内する語り部の後藤一磨さん

 東日本大震災から10年を迎えるのを前に、震災の記憶や教訓を後世に伝える方策を考える「第3回東北被災地語り部フォーラム」が2月28、3月1日の両日、宮城県気仙沼市のサンマリン気仙沼ホテル観洋で開かれた。初日は語り部として活動する人々を中心に、活動への思いや課題について意見交換。2日目は同市、同県南三陸町、岩手県陸前高田市で震災遺構を巡る見学会を実施した。

 東北沿岸部で語り部活動を行う団体などで構成する実行委員会が主催。約100人が参加し、動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信された。

 発表の最初は小学2年生で被災し、語り部活動を続ける気仙沼向洋高校3年の熊谷樹さん。「震災を知らない子どもたちがいる。私たちは記憶が残る最後の世代。自分たちが経験を伝えることで守れる命がある」と話した。

 パネルディスカッションでは「次の10年の語り部」をテーマに、岩手県大船渡市の大船渡津波伝承館の齊藤賢治館長や福島県富岡町のNPO法人「富岡町3・11を語る会」の青木淑子代表らが意見交換。10年間の歩みや震災を語り継ぐ方法などについて討論した。「あの日を未来へ遺(のこ)す~決断と判断と検証の記録~」や「KATARIBE(語り部)を世界へ」などの分科会も開かれ、防災学習の方策や震災遺構のあり方を語り合った。

 1日は、気仙沼、南三陸、陸前高田の三つのコースに分かれ、各地の復興状況を見て回った。南三陸コースは、南三陸復興みなさん会の代表で、震災直後から語り部を務める後藤一磨さん(73)が案内役。最大1500人が避難した南三陸町総合体育館ベイサイドアリーナをはじめ、327人と犬2匹の命を救った結婚式場「高野会館」や高さ約22・6メートルの津波が押し寄せ1階部分まで水没した戸倉中学校跡地などを回った。

 自身も被災した後藤さんは「震災当時必要だったのは助け合い」と強調。「災害は防げない。起こったときにどう行動するのかが重要」と語り、災害発生時に命を守る行動をするよう呼び掛けた。

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