厚真町議会定例会は8日に開会し、宮坂尚市朗町長が2021年度施政方針を述べた。4期目のテーマでもある「強靱(きょうじん)でしなやかなまち」「復旧から復興への道」「育成と挑戦」の三つを基本に「胆振東部地震、新型コロナウイルス感染症と続いた災禍を乗り越え、厚真町の新たな時代を切り開いていく」と決意を表明した。
冒頭で宮坂町長は20年度について、被災者向けの災害公営住宅、公営住宅や特別養護老人ホームと障害者施設を兼ねた施設が完成し、「被災者の皆さんにとって、暮らしの再建に向けた大きな一歩となった。社会基盤もこの間に復旧が加速し、統合簡易水道の再開など目に見えて元の姿を取り戻しつつある」と説明。
一方で「森林再生や被災者の心の傷を癒やすためには、まだまだ時間と支援が必要。誰一人として取り残されることがないよう、今後も関係機関や町民の皆さんと一致協力して、復旧・復興への取り組みを丁寧に進めていく」と話した。
具体的な取り組みとしては、豊沢地区の「ルーラルビレッジ」や新町パークタウン地区の宅地耐震化事業のほか、治山事業、森林の再生を引き続き行い、北部地域の災害拠点施設の整備などを行う予定。住宅再建や修繕などの相談・支援も継続。災害時への備えとして太陽光パネルや蓄電池、木質バイオマス発電施設の設置にも乗り出すほか、被災記憶の継承として慰霊碑の建設、役場庁舎を含む周辺の整備についても進めていくとしている。
また、長期化する新型コロナの感染症対策にも言及。飲食店をはじめとする地元事業者の被害を最小限にとどめるための経済対策、情報通信基盤の強化、ゲストハウスやサテライトオフィスを活用した地方の潜在力を高めていく取り組みにも着手する。コロナ禍により地方での暮らしや働き方に注目が集まっていることを挙げ、「地方が持つしなやかさや懐の深さを発揮し、都市と多様な形で関わりながら、イノベーションや新たな価値の創造にチャレンジしなければいけない」とした。
定例会の会期は16日(予備日に17日)まで。

















