白老町議会定例会3月会議は10日、5会派の代表質問を行い、まちづくり全般について町の理事者らにただした。この中で、道の駅の開設を求める及川保氏(みらい)の質問に戸田安彦町長は「新年度以降、関係機関と協議し、実現可能性の検討を進めたい」と前向きな姿勢を示した。
及川氏は「道の駅を希望する町民は多い。優れた地場産品を持つ白老の特性を踏まえ、施設を開設してはどうか」と町の考えをただした。戸田町長は「苫小牧市と室蘭市の間には道の駅が存在しないことから、白老町で開設を検討することは観光発信拠点、交流人口拡大の観点からも大変に有意義」とした上で、「昨年開設した観光インフォメーションセンターの活用を含めて新年度以降、観光協会や商工会をはじめ、各関係機関と協議し実現可能性の調査検討を進めたい」と述べた。
医業収益の低迷で経営難が続く町立国保病院の2020年度決算見込みも質問し、戸田町長は「前年度に比べ入院患者は約2500人減、外来患者は約3700人の減となり、経常損失は約5300万円の見込み」と4年連続の赤字決算となる見通しを説明した。
西田祐子氏(きずな)は、飛生アートコミュニティーの文化芸術プロジェクトなど各地から多くの来場者が集まるイベントへの支援を求めた。竹田敏雄副町長は「地域活性化に寄与するイベントと認識しているが、運営者単体への補助支援は難しい」と述べるにとどまった。また、白老の子どもの貧困率について質問し、戸田町長は「町では貧困率を算出していないが、経済的に厳しい家庭が多いと認識しており、関係機関と連携し必要な支援を行っている」と答えた。
氏家裕治氏(公明)は、都市計画マスタープラン改定への進め方を質問。戸田町長は「今後の人口減少、少子高齢化を見据えて21年度から3カ年かけて策定する予定。初年度は現行プランの課題抽出や策定方針を検討し、22年度以降に具体的な都市づくり理念や方針の見直しに取り組む」との考えを示した。
森哲也氏(共産)は日本の重要湿地に指定されているヨコスト湿原など、白老の自然環境の保全を求めた。古俣博之副町長は「豊かな自然は白老にとって重要。いずれ環境調査を実施し、全体的な保全を図っていきたい」とし、戸田町長も「ヨコスト湿原を次代につなぐため、環境調査をしっかりと行わなければならず、予算確保に向けて有利な補助金の獲得を目指したい」と述べた。
吉谷一孝氏(いぶき)は、21年度予算で重点配分した施策について質問。戸田町長は「コロナ禍で停滞した経済活動を活性化させるため、民族共生象徴空間(ウポポイ)開業効果を活用した施策の展開や、町民生活に密着した施策の推進に重点を置いた」と説明した。

















