むかわ町は2021年度、胆振東部地震で被災した鵡川高校野球部が使っていた仮設生徒寮の一部を再利用し、穂別地区にサテライトオフィスを整備する。
仮設の生徒寮は、2年半前の震災で野球部の寮が損壊したため、移動可能なモバイルハウスをつなぎ合わせて寮にしていた。3棟(床面積約89・8平方メートル)を再利用し、サテライトオフィスを設置する。
町は、新型コロナウイルス感染拡大の影響から都市部で働き方の見直しが進んでいる傾向を踏まえ、サテライトオフィスやワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた「ワーケーション」などの利用を想定。4月には着工し、7月ごろの完成を予定している。
町は21年度の繰り越し事業として、移設、改修費用を含めた20年度一般会計補正予算で2050万円を計上。このうち1760万円を地方創生臨時交付金で充てる。
町は感染症対策で、仮設寮の7棟を役場本庁舎の多目的スペースとして整備することもすでに決めており、サテライトオフィスと併せて整備を進める。町総務企画課は「地震があったことを忘れてはいけないという思いも込めて、建物を残していきたかった」とし、「震災復興のレガシーになれば」と期待する。

















