地域振興目指し会社設立へ 協力隊員の経験生かし グランマ運営の林さん 白老

地域振興目指し会社設立へ 協力隊員の経験生かし グランマ運営の林さん 白老
グランマ2階を改装し、シェアオフィスの事業も近く始める林啓介さん

 白老町大町の地域食堂グランマを営む林啓介さん(39)が近く、合同会社WakuWaku(わくわく)しらおいを立ち上げ、地域活性化の事業を本格的に展開する。高齢者人材活用のグランマのほか、商品開発や旅行者への体験プログラム提供など、地域おこし協力隊員としてチャレンジしてきた事業を核に企業運営に臨む。シェアオフィスなど新たなビジネスにも挑み、「地域振興に一役買いたい」と張り切っている。

 貿易関係の仕事をしていた岡山県出身の林さんは、ロシア出身の妻オルガさん(36)と共に2018年、白老町へ移住した。夫婦で町の地域おこし協力隊員となり、ゲストハウス(民泊)経営、地元食材の料理作りなど白老の日常を旅行者に体験してもらうプログラムの運営、野草茶やシイタケマリネなどオリジナルブランド「Green Owl(グリーンオウル)」商品の開発といった観光・地域振興の事業に次々に挑戦。昨年8月からは大町商店街の食堂グランマの経営に携わり、地元の女性高齢者らが腕を振るう料理を提供している。

 協力隊員の任期が間もなく終了を迎える中、林さんは任期3年間で試行した事業を本格的に展開していくことを決断。人材や食材、地域の文化など地元資源を活用したビジネスに取り組む会社を近く設立する。

 事業はグランマやゲストハウスの運営、商品開発をメインとするほか、新たなビジネスも取り込む考え。グランマの店舗2階にある空きスペースを利用し、白老で仕事をしたり、起業したい人などに貸し出すシェアオフィスの運営を20日から始める。料金(税別)は月額で夏期(4~9月)2万円、冬期(10月~翌年3月)2万5000円。個人会員には平日にランチを提供、法人会員は月額料金2割引きか1人分の平日ランチといった特典を付ける。

 シェアオフィスの利用者が階下のグランマ店内で新商品PRイベントを企画するなど、「何か形を生み出す場、さまざまな人が集まる場にしていきたい」と林さん。改装した2階スペースにインターネット環境やプリンター、テーブル、椅子などを整備し、貸し出しの態勢を整えた。2階スペースに設けたミーティングルームでは4月から、苫小牧市在住の英会話講師による教室も始まる予定だ。

 林さんは今後、グランマを拠点にした新会社でさまざまな事業を立案し、まちの活性化に貢献していきたいという。白老での活動をモデルケースに、全国の自治体や団体などに地域振興のプログラムを提案するコンサルタント活動も行い、「社名の通り、わくわくする白老を目指して挑みたい」と意気込む。

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