大阪ガスの関連会社Daigasガスアンドパワーソリューション(大阪市)が、厚真町浜厚真などで検討している「苫東厚真風力発電事業」(仮称)。20日、厚真町総合福祉センターで同事業に関する環境影響評価方法書の説明会が開かれ、町民と議論を交わした。
方法書は、発電施設の建設予定地や周辺地域で実施する環境影響調査と評価の手法を明記したもの。同社の計画によると、事業を検討している区域は浜厚真の海岸沿いで、一部苫小牧市にまたがる452・2ヘクタール。このうち風車の設置範囲は150・4ヘクタールで10基程度を考えている。最大出力は3万8000キロワット。
現在進める環境アセスメントは2024年初頭まで実施し、風車は早ければ同年に着工、26年からの運転開始を予定する。発電事業実施が決まれば現地に特別目的会社を設立し、数人の社員を配置する考えだ。
同社は、この地域で事業を検討した経緯として、▽送電線の環境が良く、建設費も最小限であること▽苫小牧港など風車を運ぶ道路がしっかりしている―などと説明。担当者は騒音や低周波音をはじめ、風力発電機の羽根の影が住宅にかかる状況など住民に与える影響、渡り鳥や希少猛禽(もうきん)類を含む動植物の生息・生育の把握、景観も合わせてあらゆる調査を行う考えを示した。
浜厚真地区では15世帯ほどが建設地に比較的近い場所に住んでいる。肉牛や鶏など家畜を育てている農業者もあり、住民は「建てた後に何かが起きてしまったら遅い」と事業の実現には慎重な姿勢だ。
同社はむかわ町、苫小牧市での説明会と合わせて寄せられた参加者の声のほか、今月26日まで厚真町役場、厚南会館、むかわ町役場、苫小牧市役所で意見書を受け付け。再生可能エネルギー部の松本康宏次長は「今後の環境評価、頂いた意見を真摯に受け止めて、計画に反映させていければ」と話す。

















