登別市内で昨年6月に中学1年の男子生徒が自殺したとみられる問題で、いじめの有無などを調べていた市教育委員会の第三者委員会・市重大事案対策委員会(竹内亮平会長)は22日、報告書を市教委に答申した。男子生徒の死は自殺との見解を示し、学校の部活動で受けたからかいなどをいじめと認定。いじめを中心とした外的要因と、コロナ禍で募った将来への不安感など生徒自身の内的要因の両方が絡み合い、自殺に至ったとした。
男子生徒は昨年6月22日朝、自宅アパート敷地内で倒れている状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。アパートの上から身を投げて自殺したとみられている。市教委は原因究明に向けて昨年7月、いじめ防止対策推進法に基づいて設置した同委員会に調査を諮問。精神保健福祉士や弁護士、臨床心理士など5人で構成する同委員会は調査を重ね、22日の答申で101ページに及ぶ報告書を市教委に提出した。
報告書では、自殺に至った要因として「いじめを中心とした外的要因と、当該生徒自身の内的な問題の両方が関与していた」と分析。外的要因として、主に部活動内で受けた身体的特徴や運動技術へのからかいなどを示し、これをいじめと認定した。
一方、内的要因としては、新型コロナウイルス感染症の流行による休校で通学できず、数カ月間、自宅にこもる生活が続いたため、「外出できないストレスや将来への不安に苦しんでいた」と指摘。心も体も弱っていた状況の中で、学校再開後、からかいの言葉を受けたことは「当該生徒にとって大きな衝撃であった」と推測した。
同委員会は、再発防止に向けて「子どもたちの内面のケアと共に、意図しなくても人を傷つけてしまうことのないよう対策が必要」と強調した。
答申を受け、武田博教育長は「報告書をしっかりと精査し、対策に取り組んでいく」と述べた。

















