2018年9月に発生した胆振東部地震で、被災した米保管倉庫に代わる施設として再建工事を行っていたとまこまい広域農業協同組合(JAとまこまい広域)の厚真地区農産物集出荷貯蔵施設がこのほど、町内上野地区の敷地内に完成した。地元関係者は「復旧復興のシンボル」として期待しており、今後の農業振興に大きな役割を果たしそうだ。
2年半前の震災で被災した新町地区の旧施設に代わる新施設。延べ床面積は1700平方メートル(常温庫562・5平方メートル、低温庫は850平方メートル、下屋287・5平方メートル)。管内の基幹作物でもある米を通年低温貯蔵することが可能だ。たんとうまいステーションなどがある一角に建設することで農作物を一元管理し、夏場においてもカボチャの物流拠点として一層の産地化の向上が期待できるなど、農家の営農継続と負担軽減を図る。
事業費は総額4億9800万円で、このうち事業費の半額に当たる2億4900万円を国の「2019年度中山間地域所得向上事業」、約1億8700万円を町費で賄った。
22日には新施設内で竣工(しゅんこう)・落成式が行われ、組合や町役場関係者、施工業者らが新たな農業用施設の誕生を祝った。同組合の宮田広幸代表理事組合長は「施設を有効に活用し、胆振東部地震からの復興のシンボルとして組合員の負託に応える所存」とあいさつ。来賓の宮坂尚市朗町長は「これを契機にさらなる復旧・復興を成し遂げ、ご支援を頂いた国民の皆さんにしっかりとお返しをしていきたい。人材育成を含め、持続可能な発展を支援していければ」と述べた。




















