地域の安全と安心を守る消防団。苫小牧市内では10分団が火災や災害時の初期出動などに対応しているが、定員287人に対し、所属人数は2月末時点で227人と充足率が8割弱にとどまる。転勤などで参加を辞退する団員の補充が進まないほか、少子高齢化の流れもあって人手不足は常態化。2020年度は新型コロナウイルスの影響で予定していた募集広報活動が中止になるなど、地域を支える消防団員の確保が難しくなってきている。
消防団員に加入できるのは18~55歳の地域住民。仕事を持つ人の入団も可能で、非常勤特別職の地方公務員として休日などに訓練を重ねる。火事などで呼び出しがあれば初期消火や救助活動、住民の避難誘導などを担当する。
火災予防の広報や救命講習などの啓発活動でも活躍。「自分の地域は自分で守る」という使命感の下、有事には真っ先に現場に駆け付ける大事な存在。苫小牧の場合、植苗や勇払など消防本部から距離のある地域で消防団員による初動対応が鍵になる。
市内の消防団員227人のうち女性は約1割に当たる29人。市消防本部は「胆振東部地震などを契機に防災や防火に関心を寄せる女性が増え、参加が広がった」と話す。
一方、会社員などの場合、転勤で退団してしまうこともあるが、十分に欠員を補充できていない。特に企業立地が多い地域でこうした傾向が見られ、人材確保が厳しい状況だ。
さらに地域のつながりが希薄化し、退団予定者が後任者を紹介する機会も減少。団員の高齢化も進むなど、緩やかに地域防災力が低下しつつある実態もある。
新たな団員確保に向けては、これまで町内会の夏祭りをはじめとする各種イベントが貴重なPRの機会だったが、新型コロナの影響で相次ぎ中止。このため、団員や消防本部の署員らが事業所や公共施設を回ってポスター掲示や冊子配布を依頼しており、フェイスブックなどのSNS(インターネット交流サイト)による広報も視野に入れる。
市消防本部は、災害ボランティアなどへの関心の高まりを追い風に「消防団という身近なところにも活躍の場があることを伝えていきたい」と話している。
消防団や入団に関する問い合わせは市消防本部総務課 電話0144(84)5014。
















