厚真町浜厚真地区で民間事業者による陸上風力発電所の計画があることを受けて町は25日、厚南会館で町民を対象にした学習会を開いた。北海道科学大学工学部都市環境学科の白石悟教授を講師に迎え、風力発電の導入例などについて説明を受けた。
白石教授は、町内に計画している風力発電の風車は「1基あたり札幌テレビ塔の大きさになる」と説明。2000年前後から風力発電が急増している要因について、「風力エネルギーの潜在力として高風速や強風エリアが道内にある」とし、ここ数年では桧山管内せたな町や渡島管内松前町、伊達市、稚内市でも導入していることを取り上げた。
また風力発電施設から発生する騒音に関して、環境省の見解として、「20ヘルツ以下の超低周波音については、健康への影響に明らかな関連を示す知見は確認されなかった」と説明した。
町内では現在、大阪ガスの関連会社「Daigasガスアンドパワーソリューション」(大阪市)が浜厚真と苫小牧市の一部にまたがる海岸沿いで「苫東厚真風力発電事業」(仮称)を検討。同社の計画書によると、風車は羽根の直径約120~155メートルで10基程度の設置を考えており、単機出力は3400~4300キロワットを見込んでいる。
参加した住民からは「地元に住んでいる立場として心配するのは健康被害」といった意見や、肉牛や鶏を育てる世帯が多いことから「家畜への影響は明確にされていない」と不安が相次ぎ、町は「事業者側に調査できるのかを伝える」と回答した。

















