むかわ町の野鳥観察や自然保護をする団体「ネイチャー研究会inむかわ」は27日、同町道の駅四季の館でタンチョウ研修会を開いた。ツルの著書や報告、動物行動学を専門とする専修大学北海道短期大学の正富宏之名誉教授が「タンチョウは結婚式にふさわしい鳥ですか?」をテーマに講演した。
正富さんは「一夫一妻、子宝に恵まれるといった点など『ツルがめでたい』と言われる科学的理由はある」と説明。ただ調査の中で「両性初婚」が38%の一方で、半数は「(雄と雌の)どちらかが再婚」、12%は「どちらも再婚」だったことを挙げ、「人間と同じように離婚もある。生き別れての再婚は少ないようだが、死別して再婚するケースはあるようだ」と話した。
また「タンチョウはつがいや個体によって違うし、いろんな環境条件、行動によって差が出るなど一言では表すことはできない」と分析。相性なども考慮した上で「必ずしもおめでたいばかりではない」としながら、「子どもがいなくても一緒にいる鳥がいることを考えると、めでたい鳥という気もする」と答えた。
町内に住む会員の木村英雄さん(74)は「タンチョウも人間と同じように、離れたり、くっついたりして生活しているということを知って勉強になった。こんな生態だと思っていなかった」と目を細めた。
研修会は毎年2、3回の頻度で開いているが、今年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響を鑑み、開催を見送っていた。

















