図書館統合の複合施設に 白老町役場庁舎建設基本構想を策定 建設費40億円想定

図書館統合の複合施設に 白老町役場庁舎建設基本構想を策定 建設費40億円想定
老朽化で建て替えが検討されている白老町役場庁舎

 白老町は、老朽化が進む役場庁舎の建て替えに向けた建設基本構想を策定した。新庁舎は町立図書館統合の複合施設を想定し、建設費は約40億円と見込んだ。町は2021年度、具体的な施設の機能や建設候補地、事業スケジュールなどを示した整備基本計画の策定作業に着手し、懸案の改築への道筋を付ける。

 大町にある現庁舎は、鉄筋コンクリート造りや軽量鉄筋造りなどの建物で、全体の延べ床面積は3230平方メートル。1955年に建設後、高度成長時代の職員数増加に伴い増築を繰り返した。古い建物で築後65年以上、増築部分でも30年以上が経過。老朽化が著しく進み、延べ床面積全体の半分が既に耐用年数を超えている状況にある。

 耐震性も弱く、胆振東部地震と同程度の地震が発生した場合、倒壊する危険性が高いことが2018年度の耐震診断で判明。庁舎は災害対応の本部機能を担うが、地震被害で機能を果たせなくなる可能性があるという。

 このため、町は懸案の改築に向けて昨年8月、庁舎建設検討委員会(委員長・古俣博之副町長)を設置。新庁舎の方向性を協議し、基本構想を取りまとめた。

 それによると、健康福祉課や高齢者介護課、学校教育課など外部公共施設にある5部署を新庁舎に集約し、職員数221人配置を踏まえた施設規模を算定。人口減少時代の公共施設の適正配置も意識して、町立図書館を組み込んだ利便性の高い複合施設とし、統合する図書館と合わせて建物の延べ床面積を7000平方メートルと想定した。駐車場は来庁者用90台分、職員用136台分、公用車用53台分を確保し、建設費の総額を約40億円と見込んだ。

 建設場所は町有地を主体に検討するとし、基本構想段階として(1)旧白老小学校敷地(大町)(2)現庁舎敷地(同)(3)町営住宅緑丘団地敷地(緑丘)(4)旧旭化成工場敷地(緑町)―の4カ所を想定候補地として示した。

 事業費は、役場庁舎建設基金(19年度決算額で約2億1000万円)のほか、有利な交付金や起債などの活用を検討。整備手法としては、設計・施行一括発注や民間活力の官民連携(PPP)などさまざまな方法を考える。

 町は「21年度は基本構想を基に整備基本計画作りを進める」と言う。住民との意見交換やアンケートなどを踏まえながら施設の機能や整備手法、事業スケジュール、総事業費、建設候補地などを計画に反映させる方針だ。また、内閣府が昨年4月に公表した巨大地震想定(日本海溝・千島海溝地震)で白老町役場付近が最大2メートルの浸水深に見舞われるとされ、さらに詳しい想定が今年示されることから、津波に備えた庁舎の構造も検討する。

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