厚真町の中井紫竹習字教室で講師を務める書道家、中井るみ子さん(72)がこのほど、公益財団法人日本習字教育財団が主催する第11回「観梅展」で審査員特別賞を受賞した。全国から約3000点の出展があり、道内から観梅大賞に2人、審査員特別賞に中井さんが唯一の入選となった。
観梅展は、日本習字で書を学ぶ人たちが日頃の成果を発表する場として2000年から開催されている条幅作品展。昨年8~9月の期間で作品を募り、12月に発表があった。
2~3月にかけて全国各地6カ所で展覧会があり、道内では28日に札幌市内で開かれた同会で作品を一般にお披露目。「書いたことで満足感はあったが、賞を取って、改めてみんなに認めてもらえたのでは」と喜びを実感した。
中井さんは友人の勧めで初めて出展した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で自宅にいる時間が長くなっている状況に鑑み、自らの心を洗い清めることを意味する「洗心(せんしん)」の2文字を縦約130センチ、横65センチの畳1枚ほどもある大きさの紙に書き上げた。直径15センチの太さの筆を使うため、相当な体力を要するが、1回に15分ほどかけながら、力を振り絞る作業を2週間続けたという。
今回の入賞を受けて「もう2、3年頑張ってみよう、という気持ちになる。何事も賞をもらえるのはうれしいものですよ」と今後の出展にも意欲が湧いた様子。教室では園児から一般まで60人ほどいる生徒を指導する立場でもあることから、「子どもたちの励みになれば」と優しくほほ笑んだ。

















