環境省の補助を受けて2020年度まで5年間活動してきた様似町の諮問機関「アポイ環境科学委員会」(委員長・佐藤謙北海学園大名誉教授)が活動報告書をまとめた。減少を続ける高山植物群落の保全と再生を進めるため、保護地域の区域見直しと拡大が必要と提言した。
委員会は研究者らで構成。国や道、町が年間計1000万円ほどを拠出し、現地調査など17回にわたって委員会を開いた。アポイ岳固有の希少な高山植物のエゾシカの採食や登山道沿いの登山者による踏みつけ、ハイマツ群落の拡大による高山植物群落の縮小などの状況調査、希少植物の生育地以外での再生などに取り組んだ。
高山植物群落の保全と再生に対する提言では、国定公園から国立公園への昇格が話題になっていることから「特別保護地区の指定区域見直しは、慎重かつ早急に検討する必要がある」とした。
町は21年度に保全再生基本計画を策定し、22年度に国や道、町内関係団体なども加わる「仮称・アポイ岳保全ネットワーク」を設立する計画だ。

















