苫小牧市日新町地区の市営住宅や公共施設などの暖房、給湯を担う苫小牧熱サービス(苫小牧市)が2023年度に熱供給事業から撤退する問題で、同社は燃料費の高騰や取り引き先の縮小に加え、共働き世帯の増加で個別暖房化の流れが一層進むとみて、事業継続は困難と判断したことを明らかにした。福江弘美社長が7日までに苫小牧民報の取材に応じ、当初計画から5年前倒しで事業を終えることに対し「信頼を裏切るようで大変申し訳ない」と陳謝した。
市は同社の撤退意向を受け、所有する▽日新小学校▽アブロス日新温水プール▽いとい北保育園▽日新児童センター▽集会場―の全5施設と市住7棟150戸について、21年度に個別暖房化の実施設計を行い、22、23年度の2年間で工事を終える見通し。
概算事業費は5施設で約2億4000万円、市住で約2億6000万円の計5億円。市が全額負担する。一方、28年度までの熱供給事業を条件に同社に支払ってきた、市住建て替えに伴う供給戸数減の補償費や燃料費が不要になるため、約4億6000万円が削減できると試算している。
同地区の道営住宅については、道が23年9月までに全3棟78戸の移転改築を終える計画。民間共同住宅の所有者に対しては、個別暖房化への支援金として1戸当たり30万円の支払いを同社が提案し、1日時点で約8割の対象者から同意書を受け取ったという。
同社は1971年設立。翌72年から日新町地区の熱供給事業を開始したが、2011年の東日本大震災以降、燃料費の高騰が続き、経営が悪化。15年に申請した料金改定も認められず、18年3月には運転保守管理を受託してきた糸井清掃センターの稼働終了でさらなる打撃を受けた。
同社は経営改善のため、大幅な人員削減や機器設備修繕の内製化を進めてきた。しかし、共働き世帯の増加を背景に、留守中も稼働する地域暖房から個別暖房へ切り替える流れは止められず、「5~10年後には、経営が順調だった震災前と比べ、売り上げは3割ほどに落ち込む」とみる。
福江社長は「このまま続けた場合、さらに厳しい状況での撤退になってしまう」と決断に理解を求め、「今、利用していただいている方には深く感謝している。残りの期間、何があっても安定供給を続ける」と約束した。
















