苫小牧市明徳町に開校した特別支援学校「苫小牧支援学校」で、15日に行われる入学式を心待ちにしている親子がいる。市内ときわ町の中佐優李(なかさ・ゆうり)君(6)と母親の早苗さん(40)。優李君は、重度の脳障害で生後半年の時に医師から「一生寝たきりの可能性が高い」と診断されたが、さまざまな人の支えで心身共に大きな成長を遂げた。早苗さんは「診断を受けた当時、こんな日が来るとは思わなかった。学校でたくさんの楽しい思い出をつくってほしい」と願う。
優李君は3人兄弟の3男で、2014年4月に誕生。妊娠の経過や出生直後の成長に問題は見られなかったが生後半年の時、出産した市内の病院で受けた乳幼児検診で裂脳症と呼ばれる難病であることが判明。医師に重度の障害で寝たきりになる可能性が高いことを告げられ、早苗さんは「目の前が真っ暗になった」と振り返る。
診断結果をなかなか受け入れられなかった早苗さんは、とまこまい脳神経外科(光洋町)の小児脳神経外科医、高橋義男医師にセカンドオピニオンを依頼。診断結果は変わらなかったが、髙橋医師の「怖がらずにいろいろなことをやらせれば大丈夫」という言葉に勇気づけられ、NPO法人ほっかいどうタンポポ(本部札幌)による水泳療育に参加するようになった。
優李君が1歳になった頃、開所した障害児通所支援施設にわとりファミリー(しらかば町)での療育がスタート。親子で毎日のように通った。並行して市内の病院にも足しげく通ってリハビリに取り組み、市内の幼稚園に入園。集団生活を送りながら幼児教育も受けた。
「寝たきりになる可能性が高い」と言われた優李君だが、今は車いすに長時間座り続けられるほど筋力が発達した。周囲の呼び掛けに対し、表情豊かに対応する言語理解力、コミュニケーション能力も獲得。固形の食べ物を自分の口から摂取したり、タブレット端末を巧みに操って好きな動画を探して視聴したりする力も身に付けた。
早苗さんは「日常生活の延長のような感じで、地域の中で療育やリハビリを日常的に受けられたことが好影響をもたらした」とみる。早苗さんに積極的な療育やリハビリを働き掛けた高橋医師は「子どもの脳は日常的な刺激で必ず成長する。優李君のように重度のケースでも同じで、子どもの未来は誰にも予測できない」と語る。
入学の日を間近に控え、優李君は鉛筆やフォークを握って手を動かす訓練も開始。近く、50音の学習も始める予定という。早苗さんは「脳の障害が分かった時は学校にも行けず、この子と一生家の中で過ごすしかないと思った。皆さんの支えに心から感謝している」とほほ笑んだ。
















