白老町のしらおい防災マスター会(吉村智会長)は28日、民族共生象徴空間(ウポポイ)・国立アイヌ民族博物館の職員を講師にした防災研修会を町総合保健福祉センターで開いた。
会員ら約30人が参加。同博物館教育普及室学芸主査の八幡巴絵さんと、エデュケーター(教育普及専門職員)のシン・ウォンジさんが「伝承から自然災害を記憶する―津波」をテーマに話した。
昔の津波を調べる方法について「古文書と地層から知ることができる」とし、17世紀に起きた大津波の痕跡として胆振の海岸域にも津波堆積物が広がっていると述べた。一方、18世紀以前の北海道の古文書が少ないため、大昔の自然災害を知る手掛かりとして近年、アイヌ民族の言い伝えが注目されていると説明。参加者らは、伝承に込められた災害の記憶を防災に生かす大切さに理解を深めた。
続いて同会の民部吉治事務局長が講師となり、千島海溝型地震について話した。北海道太平洋沿岸に巨大津波をもたらす恐れのある同地震の発生が切迫しているとした専門家の見解を説明し、災害への備えを呼び掛けた。

















