苫小牧市日の出町のそば店「生蕎麦(そば) 日高」が先月、多くの常連客に惜しまれながら閉店した。2代目店主の今野泰信さん(48)は「たくさんのお客さんに支えられて、ここまでこられた。感謝の気持ちでいっぱい」と語り、母の澄江さん(75)に「毎日店に立ち続けた母さん、ゆっくり休んで」とねぎらいの言葉を掛けた。
父親で初代店主の隆さんを昨年8月に亡くし、新型コロナウイルスの影響も受け、決断した。
同店は1977年3月、隆さんと澄江さんが「お客さま第一」をモットーに開業。洋食店(東京)での経験を生かし、カツカレーや中華丼、ラーメンなど豊富なメニューを提供。ボリューム満点な料理と澄江さんの温かい人柄に魅せられ、市内外から多くのファンが足しげく通った。
約20年前、隆さんの体調不良をきっかけに本州から戻った泰信さんが、隆さんの「味」を学びながら片腕として店を支えた。隆さんが亡くなってからは澄江さんと2人で店を切り盛りしてきたが、感染症の流行でテークアウトが主流になる中、「人材不足も顕著で、時代の流れに乗ることが難しかった」と打ち明けた。
最終日の4月30日は閉店時間を過ぎても常連客らが残り、「おいしかったよ」「お疲れさま」と声を掛け、花束を贈る人もいた。澄江さんは「商売冥利に尽きる瞬間。大きな事故もなく、大好きな接客を44年間続けられたのもお客さまのおかげです」と目を潤ませた。
家族4人で訪れた三光町の中田大輔さん(38)は「よく利用した思い出のお店。最高においしかった」と話し、美園町の袴田仙子さん(54)は「お母さんの人柄とお店の雰囲気に引かれ、10年以上通いました。本当に寂しい」と唇をかみしめた。
















