安平町教育委員会は、遠浅、安平の両小学校を2022年度限りで閉校し、23年度に早来小と早来中を一体化して早来地区に開校する小中一貫の義務教育学校に統合する考えを明らかにした。少子化などの影響が背景にあり、今後、早来地区での小中一貫教育を掲げる上でより良い方法で教育を提供できるとの判断に至った。町教委は6月定例教育委員会議に関連議案を提出し、「最終的な判断を下したい」としている。
現在、両校の児童数は遠浅小が46人、安平小が21人。町教委によると、当初は義務教育学校の開校に伴い、対象児童に対して通学先の学校を選ぶ「学校選択制」を導入する方向で調整し、保護者や地域住民への説明会や意向調査などを行っていた。
しかし、その中で「学校によって教育格差が生まれないようにしてほしい」「町として、質の高い教育を確保するためにしっかり整理してほしい」といった声が多く寄せられた。児童数の減少に加え、いずれも校舎が築50年ほど経過し、老朽化している状況も踏まえ、「よりよい教育環境を目指すために統合するのが一番適切」と判断。23年度の義務教育学校開校に合わせて統合する方向にかじを切った。現5年生までは現行の学校で卒業し、4年生以下は23年度の進級時に義務教育学校へ移ることになる。
町内では小、中学校が1校ずつの追分地区ですでに小中一貫教育が行われているが、早来地区は早来小に児童が集中し、遠浅、安平小は複式学級を敷いているなど学校ごとで児童数にばらつきがあった。町教委は「3校を1校に統合することで、中学への移行もスムーズに行うことができるのでは」と話す。今後も引き続き、住民説明会を開催して理解を求めていく考えだ。




















