「道内でまん延防止等重点措置地域が拡大される情報は入っていたが、北海道が急きょ緊急事態宣言の対象になるなんて」。町の担当者は、14日の政府方針に戸惑いを隠せなかった。16~31日を期間にした宣言発令の動きを踏まえ、町は同日夕、戸田安彦町長を本部長とする新型コロナ感染危機管理対策本部会議を開き、対応策を協議。公民館や生活館、図書館、総合体育館など主要の公共施設を18日から、宣言期間終了の今月31日までの間、臨時休館とする方針を決めた。
美園・萩野児童館は先行して16日から休館。白老駅北の観光インフォメーションセンターは同日から31日まで、閉館時間を1時間前倒して午後5時にし、同センター隣接の遊具広場の使用を中止にした。しらおい経済センターについても18日から月末まで休館の措置を取ることにした。町は「既に公共施設の貸し館利用を予約している団体などに対し、中止や延期を要請していきたい」としている。
一方、公民館などを会場に28日から始まる高齢者のコロナワクチン集団接種に関しては、「計画通り進める」と言う。
町内の感染者数は、白老町在住者として公表された分だけで、これまでに10人に上った。感染すると重症化のリスクのある高齢者が人口の半数近くを占めるまちだけに、町は胆振管内をはじめ道内の感染拡大傾向に危機感を強める。加えて緊急事態宣言に伴う飲食・観光業など地域経済へのダメージも深く憂慮する。
感染の広がりや緊急事態宣言を受けてイベントの延期、中止も相次ぐ。16日に社台生活館で「ミナパ祭」と題したイベント開催を計画していた社台のコミュニティーカフェ・ミナパチセ店主の田村直美さんは「状況を鑑みて、残念ながら延期することにした」と話す。白老美術協会(田中照比古会長)も18日から23日まで白老コミセンで予定していた作品展「春の小品展」を急きょ中止した。
また、白老港に6月、「にっぽん丸」と「ぱしふぃっく びいなす」の大型クルーズ船2隻の寄港が予定されている中、町水産港湾室はコロナの情勢を注視。町は寄港に向けた準備を進めているものの、「緊急事態宣言が出されるほどの状況の中で、果たして6月に予定通りクルーズ船のツアーが行われるかどうか。今後の動向を注意深く見ていきたい」としている。
新型コロナウイルス感染者の急増で政府が14日、北海道を緊急事態宣言の対象に追加したことを受け、白老町は同日夕に緊急の対策本部会議を開き、主要の公共施設を18日から今月末まで臨時休館にする方針を決めた。民間団体が予定していたイベントの中止や延期も相次ぎ、感染拡大の影響が広がっている。

















