白老町で17日、高齢者施設入所者を対象にした新型コロナウイルスワクチン接種が始まった。町内で医療従事者を先行させたワクチン接種はいよいよ高齢者の段階に進み、28日からは入所者以外の高齢者向け集団接種もスタートする。
施設入所者への接種では、特別養護老人ホームや軽費老人ホームなど15施設の計約530人が希望。町の想定接種率の90%近くに上る。町内医療機関の医師や看護師が各施設を巡回しワクチンを打つ形で、17日に1回目の接種が開始された。
同町萩野の生田医院(生田好広院長)が運営する介護老人保健施設さくらでは同日、40人が接種に臨んだ。廊下に並べた椅子や車椅子に座った入所者に生田院長が次々にワクチンを打ち、96歳の女性は「北海道でもコロナ感染が広がっている中、これで少し安心できますね」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
生田院長は「白老町でも感染拡大を防ぐためには、町民のワクチン接種を加速させることが重要だ。今後始まる集団、個別接種が円滑に進むよう町に協力していきたい」と話した。同施設では18日も入所者41人が接種を受けた。
町は、施設入所者への1回目接種を今週末までに終えた後、28日から公共施設を会場に集団接種に乗り出す。6月1日からは町内4医療機関での個別接種も始める予定だ。町のワクチン接種対策室によると、4月28日から始めた接種予約の受け付けに申し込んだ高齢者(施設入所者を除く)は14日までに、対象者7112人のうち5327人に上った。対象者全体の74・9%に達し、町の想定65%を既に大きく上回っている。

















